多くの経営者は値上げをすることを極端に怖がっています。確かに、コモディティ化している品物は、価格で判断されることが多いでしょうから、値上げをすれば売上数量は下がるでしょう。
安値で売ることは、自分の商品のポジショニングを「安物」としていることになります。特に高級品、贅沢品においては、価格を高くすることでかえってその価値を高めることができます。
消費者のうち、最安価格、最低価格を基準にして商品を選択する人の割合は10-20%だと言われています。残りの80-90%の人は、もっと他の、商品の性能やデザイン、品質といった要素を検討して判断するのです。
つまり、価格を安くしなければならないというのは、一種の強迫観念に近いとも言えます。インターネットの比較サイトで比べられてしまう、インターネット販売の場合には、価格が重要な購買決定要因になるのでやむをえません。
ただ、値上げをしたら、もっと数が売れるということもあるのです。ちょっとした工夫です。価格の端数を9や8にしてみてください。例えば、5300円のものを5800円に値上げすることで、販売数量が増加するということがあります。日本では価格の端数は8が売上増加に効果的と言われています。
価格を付ける際には、顧客の心理をよく考えて慎重に、そして出来るだけ高く(!)してみてください。